福岡高等裁判所 昭和31年(ネ)201号 判決 1956年10月17日
福岡市西新町二一二番地
控訴人
企業組合 大村美粧院
右代表者代表理事
大村恒喜
同市大名町
被控訴人
福岡国税局長
篠川正次
右指定代理人
福岡法務局訟務部長
今井文雄
同法務事務官
小倉馨
同大蔵事務官
諫山美登
右当事者間の昭和三一年(ネ)第二〇一号法人税審査決定取消請求控訴事件について当裁判所は次のとおり判決する。
主文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実
控訴代表者は「原判決を取消す、福岡税務署長が昭和三〇年二月一八日附決定した控訴人の昭和二八年度法人税について昭和三〇年三月一九日控訴人が被控訴人に対しなした審査請求を棄却した決定はこれを取消す、訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする」との判決を求め、被控訴代理人は主文と同旨の判決を求めた。
当事者双方の事実上の陳述竝に証拠の提出認否は控訴代表者において、昭和二八年当時における控訴人のコールドパーマ料金は一人金二〇〇円乃至三〇〇円であつたと述べ、証拠として控訴代表者は当審証人大村シズヱ、同峰松良子の各証言を援用し、乙号各証の成立を認め、被控訴代理人は乙第一乃至第三号証を提出した外原判決事実摘示と同一であるから、ここにこれを引用する。
理由
本件の争点である係争事業年度における控訴組合のコールドパーマ料金収入(コールドパーマ施行人員、料金単価、合計収入金額)が被控訴人主張の額を下らない点に関する当裁判所の判断は原判決理由の示すところと同一であるから、これを引用する。当審証人大村シズヱの証言中右認定に牴触する部分は各成立に争のない甲第二号証、乙第一乃至第三号証の各記載に照らし措信し難く、他に右認定をくつがえすに足る証拠はない。しからば係争事業年度の控訴組合の所得は、当事者間に争のない爾余の営業収入額に右コールドパーマ料金収入額を加えた金六三、七三〇円から控訴人の自陳する総損金五九七、七五四円を控除するも、原処分庁たる福岡税務署長が決定し、審査請求において被控訴人がこれを維持した金三〇、五〇〇円を下らないこと計数上明らかである。
さすれば被控訴人の本件審査の決定には何等の違法もなく、控訴人の本訴請求は失当としてこれを棄却すべく、これと同旨の原判決は相当であるので民事訴訟法第三八四条第九五条第八九条を適用し主文のとおり判決する。
(裁判長判事 竹下利之右衛門 判事 小西信三 判事 岩永金次郎)